No.225, January 2008

Research Introduction
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Topics

神経研共催シンポジウム

前頭連合野研究の発展と展望

高次脳機能研究分野 特任研究員 渡邊 正孝

渡邊 正孝

日本における前頭連合野研究の現状と将来を考える会として、実際に研究に携わっている者が中心となり、「前頭連合野研究の発展と展望」というタイトルのシンポジュウムを東京大学駒場キャンパスで12月21日に開催しました。そこでは、

  1. 櫻井 芳雄(京都大学):同期発火の検出からブレイン-マシン・インタフェースの研究へ
  2. 坂上 雅道(玉川大学):カテゴリー形成から情報創成の研究へ
  3. 坂井 克之(東京大学):系列行動からルール依存行動の研究へ
  4. 尾上 浩隆(理化学研究所):学習セットから疲労の研究へ
  5. 船橋 新太郎(京都大学):ワーキングメモリの神経機構をもとに意志決定の仕組みの研究へ
  6. 渡邊 正孝(東京都神経科学総合研究所):意味のコーディングから認知・動機づけの統合の研究へ
というように、各スピーカーが自らの研究の軌跡を辿りながらその発展について述べ、最後にそれぞれ今後の展望について考える、という形式のものにしました。スピーカー同士にとってもお互いに刺激される内容の発表が続き、聴衆からは前頭連合野研究の現状と今後の展望について理解する上で大いに役立った、という感想を多く聞きました。

最後にあいさつをお願いした科研費特定領域研究「統合脳」代表の丹治順玉川大学教授は、「前頭連合野という、いわば文化を作り出すような脳部位の研究内容は研究者の所属する文化に大きく規定される。奥ゆかしさに代表される日本独特の文化は前頭連合野研究に適したものである。日本の前頭連合野研究者は、現在のお互いの良好な関係を発展させ、日本の文化に根ざした研究を発展させて欲しい」、と述べられたが、この言葉は我々に勇気と励ましを与えるものであった。このシンポジュウムをきっかけに、前頭連合野研究会を立ち上げようという声も出て、今後の日本におけるこの分野の研究をさらに発展させるきっかけになりうるようなシンポジュウムにすることができた。

100名以上の参加を得たこのシンポジュウムの開催に際し、会場の確保から設営、運営と、最も協力して頂いた、主催者で東京大学21世紀COEプログラム「心とことば―進化認知科学的展開」代表の長谷川寿一教授を始め、同じく主催者の科研費特定領域研究「統合脳」、共催の東京都神経科学総合研究所、玉川大学脳研究所の関係の皆様と、お手伝い頂いた方々、また神経研調査係の皆様のご協力にお礼を申し上げます。